何かを連想させるかのようなタイトル「tente descobrir」と名づけられたこのCDは、アーティスト達の妙技としっかりと結びついた”能力と創造性”を充分に見せつける。
テーマのほとんどはルイジーニョ・ドゥアルテとイータロ・アウメイダが手がけており、アフリカやカリブからインスプレーションを受けたかのような曲の数々がこのCDの目玉の作品となっている。CDの第1曲目に収録された、ルイジーニョ・ドゥアルテ作曲の「De frente ao baião」やイータロ・アウメイダが共に作詞を手がけたサンバ調の「Babi」からオペラ調の「Panorâmica」でその魅力を存分に感じられる。それに加えて、ドリバル・カイミの「Maracangalha」やルイス・ゴンザーガとウンベルト・テイシャイラによる「Qui nem jiló」などのMPBの古典的名作とも言える2曲が収録されているのも嬉しい。新しい表現方法の1つの候補でありながも、これが1つの完成形ととれるような演奏になっている。
このCDはフォルタレーザのArarenaスタジオで音楽監督にレナト・ピントを、クラリネット奏者のカリーニョス・フェレイラを特別ゲストに迎えて収録され、エニルトン・メネゼスの「Letra e Musica」を手がけたチームが製作を担当している。
Marco Bosco
1956年ブラジル生まれ。既に7枚のアルバムをリリース。エグベルト・ジスモンチ、イヴァン・リンズ、シーザー・カマルゴ・マリアーノ、ドーリ・カイミ、セルジオ・メンデス、ポール・ジャクソン、ロベルト・メネスカル、渡辺 貞夫等と言った蒼々たるメンバーと共演してきているベテラン・パーカッショニスト。
ブラジルだけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、南米各地でもコンサートを行ない、来日経験も豊富で、江戸助六太鼓を学んだ経験もある親日家。ブラジル音楽に捕らわれず、常に新しいサウンドを追求している。